私がFigmaを「最高の相棒」と呼ぶ理由。UI/UXデザイナーが本当に助けられている神機能3選

  1. 私がFigmaを「最高の相棒」と呼ぶ理由。UI/UXデザイナーが本当に助けられている神機能3選

みなさん、こんにちは!UI/UXデザイナーの高橋です。

INIは「やさしく、つよい会社を増やそう。」という経営理念を掲げています。私たちの考えるやさしさとは「長く一緒にいつづけること」。そしてつよさとは、そのやさしさを現実にする力と定めています。
経営理念について詳しくはこちら

このシリーズ記事では、私たちが「やさしく、つよい」を体現しているなぁと思う企業やサービス、取り組みを紹介していきます。「やさしく、つよい」を具体的にどう形にしているのかを知ることで、まずは私たち自身が理解を深め、そして同じ志を持つ仲間やお客さまと "やさしく、つよい" を共通語にして対話を広げることが目的です。

過去の記事ではCSRをテーマに「やさしく、つよい」企業を紹介しました。こちらもぜひご覧ください。
「やさしく、つよい」会社に学ぶCSRのヒント

今回は、デザインの世界で欠かせないツールとなった「Figma」のお話です。
専門家だけでなく、チームの誰もが一緒に参加できるFigmaは、「やさしさ」と「つよさ」を両立した、お手本のようなサービスかもしれませんね。

目次

1. UI/UXデザイナーを支える、Figmaの3つのやさしい機能

1-1. レビュー依頼の往復がなくなる「プロトタイプ機能」

UI/UXデザイナーの仕事で特に時間がかかるのが、デザインのフィードバックと修正の繰り返しですよね。以前は、静的なデザイン画像を何枚も書き出して、「このボタンを押したら、こちらの画面に移動します」とテキストで補足しながらレビューを依頼していました。これでは、実際のアプリの動きが伝わりにくく、何度も手戻りが発生していました。
Figmaの「プロトタイプ機能」は、この悩みをスマートに解決してくれます。デザイン上のオブジェクト同士を線で繋ぐだけで、まるで本物のアプリのように動くインタラクティブなモックアップが簡単に作れます。

また、この機能の本当に素晴らしい点は、共有する相手に合わせて「見せ方」を変えられることです。クライアントやチームメンバーには、コメントだけができる「プレビュー」のURLを共有します。これにより、相手は制作途中の作業画面を見ることなく、完成イメージだけを触って確認できます。一方、開発者には編集権限のあるURLを共有すればOK。相手の立場に合わせた、ストレスのない情報共有が、無駄な説明コストと修正の往復をなくしてくれます。

やさしさポイント

  • 触って確認できるので、レビューの手戻りがなくなる
    (静的な画像ではなく、実際に動くものを見せるので認識のズレが起こらない)
  • 相手に合わせた見せ方で、ストレスなく情報共有できる
    (クライアントには完成イメージだけを、開発者には編集画面を、とURL一本で役割分担できる)  
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1-2. 地道な修正作業から解放される「オートレイアウト」と「コンポーネント機能」

「このボタンのテキストを長くしたら、レイアウトが全部崩れた...」 「4箇所で使っている同じアイコンの色を、全部変えないといけない...」 こうした地道で単純な修正作業は、デザイナーの集中力を奪う大きな要因です。 Figmaの「オートレイアウト」と「コンポーネント機能」は、こうした作業から私たちを解放してくれます。
「オートレイアウト」を使えば、要素間の余白や並び順をルール化できるので、中のテキスト量や要素数が変わっても、レイアウトが自動で追従してくれます。もう一つ一つ手作業で調整する必要はありません。

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  そして、ボタンやアイコンなどの繰り返し使うパーツを「コンポーネント」として登録しておけば、元のコンポーネントを一つ修正するだけで、その変更が全てのパーツに一括で反映されます。これらの機能は、デザインの一貫性を保ちながら修正時間を劇的に短縮し、デザイナーが「デザインの本質」に集中できる環境を作ってくれます。

やさしさポイント

  • オートレイアウト機能:面倒なレイアウト調整が、自動になる
    (テキスト修正のたびに、ボタンのサイズや余白を手で直す必要がなくなる)
  • コンポーネント機能:デザインの変更が、一瞬で終わる
    (100個使っているアイコンの色変更も、たった一度の操作で完了)
  • 「デザインの本質」に集中する時間が生まれる
    (地道な作業から解放され、より仕事に向き合える)

1-3. 世界中のデザイナーが仲間になる「コミュニティ」

デザイン業務では、カレンダーUIやSNSの投稿フィードなど、よく使われるけれどゼロから作るのは大変なパーツがたくさんあります。そんな時、Figmaの「コミュニティ」が私たちを救ってくれます。コミュニティには、世界中のデザイナーが作成した高品質なUIキットやテンプレートが無数に公開されており、自分のファイルにコピーして自由にカスタマイズできます。

例えば、新しいアプリのプロフィール画面を作りたい時。コミュニティで「Profile screen」と検索すれば、参考になるデザインが何十種類も見つかります。これを土台にすれば、0から作るよりも速く、クオリティの高いデザインを作れます。「世界中の知見をクリック一つで自分のものにできる」感覚が、デザイナーを単純作業から解放し、より創造的な仕事に集中させてくれます。

やさしさポイント

  • ゼロから作らず、世界中の知恵を土台にできる
    (高品質なテンプレートを複製すれば、すぐに自分のデザインを始められます)
  • 探す時間がなくなり、創造する時間に変わる
    (便利なUIパーツやアイコンがすぐに見つかるので、探す手間なく本質的な作業に集中できます)

2. 結果として生まれた、Figmaの「つよさ」

こうした「やさしさ」を起点に、Figmaは世界で最も注目されるデザインツールへと成長を遂げました。

  • フォーチュン500企業の95%が導入(2025年IPO申請資料より)
  • 売上は2024年に約7億5,000万ドル、前年比48%成長(同資料より)
  • Adobeによる200億ドルの買収発表(2022年)という象徴的な評価(交渉は2023年に破談)

では、なぜFigmaはこれほどまでに広まったのでしょうか。その「つよさ」の本当の源泉は、「やさしい体験設計がもたらす採用のしやすさ」にあります。

  • URLひとつで共有できる → チーム外の人にも導入が簡単
  • OSに依存しない → 組織全体への展開がしやすい
  • 無料プランがある → 個人や小チームが気軽に試しやすい

このように、技術力だけでなく、誰もがスムーズに使い始められる「やさしさ」があったからこそ、必然的に世界中の企業に広がったのです。

3. INIが大切にしたい視点

Figmaの事例は、私たちに大きな示唆を与えてくれます。デジタルサービスの開発において目指すべきは、「強い機能を積み上げること」ではなく、やさしい体験をデザインすること。

やさしさが広がりを生み、やがてつよさにつながる。私たちINIもその視点を大切にしながら、クライアントのサービスづくりを支援していきます。

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4. おわりに

INIでは、Figmaをはじめとした最新のデザインツールの導入支援や、ユーザーテストを活用したUX改善の支援を行っています。やさしく、つよいサービスづくりにご関心がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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